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木曜日, 4月 18, 2013

ダブリンで財布をスられたおはなし

the episode of my wallet stolen
留学エージェントが語るわけがない負の部分も赤裸々に。
あれから1年... 今ではすっかりネタ、むしろ良い経験として語っている
ダブリンで財布をスられたときのお話を少々。
オチがアイルランドっぽいので、ちょっと長いですがぜひ最後までお楽しみください :P
事件後の事務的処理諸々も記しておきます。



平和平和と言われているけれど
アイルランド自体はヨーロッパ、いや世界的にみても比較的安全な国と言われています。
「安全な国ランキング」などでは日本につけて上位にいることも。
参考:Wikipedia: 世界平和度指数 - 2007-2012 世界平和度指数ランキング

アイルランドって「ヨーロッパの片田舎」と言われているのと、実際そのとおりほとんどが大自然で「ダブリンはアイルランドにあらず」なんて言葉があるぐらい、「平和な部分がほとんど」と言えると思います。

でも、ダブリンには、アル中やヤク中もごろごろいるんですよ。
アイルランドは敬虔なカトリックの国と言われていますが、現実には若者の望まない妊娠なんかも近年すごく問題になっていて、「?!」と二度見してしまうような若い娘がベビーカーを押してるのも珍しくありません。

アジア人が少ないのもあって差別は少なからずされますので、悲しきかな我々にとっては上記のようなランキングもアテにならない場合もあります。



事件はDublin1のスーパー内で起こった!
photo credit: lu_lu via photopin cc

忘れもしない2012年の4月14日!
友人と散歩+カフェでおしゃべりを楽しんだあと、帰宅前にいつものスーパーへ。
夕方だったのでわりと賑わっている時間帯でした。

少し人同士ひしめきあっている果物売り場で、ちょっと狭い通路。
「sorry, sorry...」と無理やりすれ違う女性がいました。
数秒身体が密着した直後、「そんなに今すれ違いづらかったか?いや今のおかしい!!」とふとバッグに手をやると...


財布だいじょぶか?....  ?!!?



ない?



ない??!?!!



『やられた』


一瞬で血の気が引きました。


犯人はすでに他の客に紛れてしまっています。

このとき本当に悔やみましたが、クチをチャックで閉じれるハンドバッグを持っていました。
そのクチが開いていたんですよね... いつもは閉じていたのに気がゆるんでいました。

自分でも聞こえるぐらいの音で、心臓がドキドキしたままです。
すぐスーパーの警備員に「I had my wallet stolen!!!!!」とかなんとかアワアワしながら伝えます。

他のお客さんが「あーあー、やられちまったなアジア人の女の子が」と目で語っている...

「落ち着いて。すぐ警察を呼ぶから」と警備員。
この辺りはスムーズで、5分するかしないかのうちにGARDA(ガーダはアイルランド語で警察のこと)が来ました。

スーパーの奥へ案内され、店のスタッフと警察3人と共に監視カメラを再生します。
特徴にきいて尋ねられましたが記憶にあるのは主に声。中年の女性、酒ヤケしてたからアル中ババアだな、、とさらに凹む。

「これか?」「これか?」と映像を止めながら、記憶を辿ります。
そして浮かび上がったブロンドの女性ババア。
別アングルのビデオもまわし、どうやら私の入店直後から後ろにつけていたことが判明。

このときのスタッフの方とGARDAが聞き取れなかった(ネイティブ同士の会話はやはり難)のですが、狭いダブリンのことですから「こいつはよく来るぜ」とか言ってたのかも。
GARDAは犯人の映像をiPhoneで写真に撮り、どうやら共有しているようでした。

この時の私はけっこう精神的にきていて、いい歳して泣いてしまいました。
これまた名前を生年月日を警察に答えたら「昨日がお誕生日だったんじゃない。気の毒に...」と言われる始末。ええ、30歳のバースデーでしたええ.....

モノやお金を盗られたショックよりも、自分の気の緩みへのむかつきと、なによりアジア人として標的にされた悔しさが大きかったように感じます。

アイルランドでは日本も中国も韓国も一緒くたにする「無知からくる差別」がユーラシア大陸内の欧州国より顕著と感じますし(そこはあちらも島国だからなのかも)、この時代に「イエローモンキー」と言ってニヤニヤしている想像を越えたバカな連中も少なからず居ます。日本人の友人のほとんどが生卵や石や小麦粉ボールなど何かしらを投げつけられています。(私は小石でした☆)

ちなみに財布の中身は
・現金70ユーロほど(いつもこんなに入れてないのによりによって!!!!!!)
・イミグレーションカード(5月から欧州旅行いっちゃうからもういいや...)
・スチューデントカード(語学学校終わってたのに有効期限内というラッキーが消えた...)
・現地銀行のキャッシュカード(もういい口座閉じよう)

で、3月に旅行へ行ったときから入れたまんまで非常〜に悔やまれたのが
・日本のクレカ2枚
・日本の運転免許証

ああ、帰ってすぐ家にしまっておくんだった......

さてここから闘いが始まるんです。



翌日「見つかった」と連絡が!
photo credit: D464-Darren Hall via photopin cc

傷心のまま眠って次の朝。電話の音で目が覚めました。
「もしもしmitoか?財布が見つかったぞー!」


????!!!?!!?  ゆめ???


「現金は残念ながら抜き取られている。でもカード類は全部残っているよ」

「GARDA stationまで取りに来てくれ場所は◯×△☆□」
「Sorry?! Could you talk more slowly..」

って言っても結局ゆっくりにならないので
「わかった!じゃあ君の家まで持って行こう。住所は Dublin1のxxxxだね?じゃあ明日の18時に!」

ほんと?
ほんと????とソワソワ。
な〜んだ、クレジットカード慌ててとめちゃったよ!とのほほんとしていたんです。いたんですよ。


そしてその「明日の18時」。





来ない。







次の日の18時。









来ない!!!!!!!!!





このやろう...と、その翌日最寄りのGARDA station(警察署)へ。


窓口で、「これこれこういうことがあったわけ。財布見つかったって言ってたわけ。保管されてるみたいだから返してほしい」と説明。
また、スーパーで立ち会った警察の一人でデニスという女性からネームカードをもらっていたのでそれも見せます。
すると窓口ポリスA「んー。デニスは明日来るから。明日また来てくれる?明日の17時に出勤するよ」

あ、でたー。この情報共有しないかんじ。「その人以外対応しない」かんじ。この辺からいや〜な予感が。
電話をくれた警察の名前を聴き取れなかったのが大失敗でした。あー、気が動転してた....
ということで、もうその時から対応した人の名前をいちいち尋ねて紙に書いてもらっていました。
言うことに責任もちやがれです。

とりあえずその「明日の17時」を頼りに行ってみる。
16時ぐらいに行って、また別の窓口ポリスBに「今日、デニス来るよね」と確認。
「ああ来るよ。17時に」との答え。ぽつんと1時間待っていました。
そして17時、窓口ポリスがCに交代になったので「ねえデニスは?」と聞くと。。。


「デニス?今日は休みだよ?」



うわあああああああああああ




もうだめ、こいつら、、、、  \(^o^)/




そこからはネイティブに全面的に頼りました。
一緒に仕事させてもらってたアイリッシュで、住んでるところもマトモなエリアだったのでこの人でダメならもうしょうがないか...ともう半ば諦めモード。

彼とともに何度も警察署の前で待ち合わせして、直接話してもらって、やっぱり「また来て」って言われて、何度も出直しました。
「電話がかかって来た日と時間」に当番だった者から誰が連絡したのかを探る、ということをしようとしてくれた方もいましたが、結局出てくることはなく。
「あの電話自体警察からではなかった?」という疑問も生まれましたがしかし、電話番号や住所の情報を財布の中にはいれて居なかったので、その辺りの情報を伝えたのは友人と警察ぐらいのものです。


・・・というわけで今回の事件、
どうやら警察に失くされた
というところに落ち着いてしまいました。落ち着きたくねえ!!!!!




「携行品損害」の保険はマスト。
ワーホリや語学留学などでは長期の保険に加入すると思いますが、「携行品損害」はつけておいたほうがいいでしょう。
スリは日本以外はどこにもいます。
私は10万円までのものに加入していたのが不幸中の幸い。
対象になるものとならないものがありますが、私の失くしたもののうち

・財布そのもの(購入時の定価から減価償却)
・日本の運転免許証の再発行手数料
上記2点はカバーされました。

モノの保険は減価償却なので「何年前にいくらぐらいで買ったもの」がポイント。
長く使っているほど保険のおりる金額は減ります。
しかし無くなった財布ですから当然現物を見せるわけではないですし、こういう経緯だけに遺失物としての正式な証明も無く、プレゼントだったら値段も知らないわけなので、結局自己申告した価格や年数から鑑みられます。
ただし、某デニスのネームカードやGARDAで書いてもらった彼らの名前、手伝ってもらったネイティブの方の連絡先などを提出し事件があったことの証明としました。

運転免許証の再発行手数料は再発行時のレシートを保険会社に送る形で後日戻ってきます。

よってこの辺りの処理は帰国後することになりますので、もし渡航中事件があったら警察に一筆残してもらうか、せめて日本人の友人に証人になってもらえば保険はおりやすいかと思います。
事件後すぐ現地から日本の保険会社に電話しましたが、「ではまた帰国後」ってなるので、電話は必ずしもではない気がします。電話代かかりますし面倒ですよね。。



さすが日本!
photo credit: Ian Lewis via photopin cc

この事件で一番焦ったのはクレジットカードを予備もろとも失くしてしまったこと。
というのも私は5月半ばからマルタ→欧州ぐるり旅に2ヶ月ほど出る予定で、クレジットカード不可欠。
そもそもダブリンを出る飛行機のチケットも買えないじゃないか という有様に...
もう家退去することにしてるし、海外キャッシングで現金作ってたのでクレカないとしぬ、しんじゃう。

スられてすぐにカードは止め、再発行の手続きをしました。
ちなみに私が持っていた2枚のクレカは
・JACCSカード(master)
・JALカード(master)

このうちJACCSは再発行は日本の住所でないとお送りできない...という回答だったので諦め。
しかしJALカードは「海外のご住所へお送りします。必要なのは再発行手数料だけで海外への送料は頂戴しません」とのこと。

素敵ぃぃぃぃぃ


これは宣伝でもなんでもなく私の心の叫びです。
持っててよかったJALカード!!!!


航空券については既に日本に帰国してしまったけれど物分かりの良いダブリン友達にSkypeで連絡をとったところ、「私まだアイルランドの銀行にお金残ってますよ!!!」という天の声。銀行カードの番号やらPINやらをSkypeで教えてもらってマルタ行きの飛行機を購入!!
とりあえずこれでダブリン脱出出来そう!本当にありがとう!!


クレジットカードは、手続きしてから1週間ほどでEMSにて無事に届きました。いっぽうそのころ私はGARDAで「こいつら....」と言っていた...という時系列です。
さすがジャパン、仕事が速いぜええええ
あとはSkype導入してくれると電話代かからず完璧ぃいぃぃ.....

このとおり!



大いなる反省、そしておぼえたこと
photo credit: dullhunk via photopin cc

事件が起きたのが渡航からちょうど半年ちょっと経った頃で、慣れによる気の緩みがあったのだと思います。当時はそこそこ落ち込んで、心細い思いもしましたが その経験によって、どういうシーン、どういう人物に気をつけなければならないかを身を持っておぼえたので、その後の欧州旅行は実に順調、南イタリアや旧ユーゴスラビア圏など日本人があまり行かない場所にも行きましたが、何一つ被害にあいませんでした。キケンを察する嗅覚が備わったというか。

反省は、あいつら本当に情報共有がてきとうなので、対応してくれた人の名前を聞き出したほうがいいということです。「付箋を貼って誰でもわかるようにしておく」なんてことはしないので。GARDAと闘ってて知ったことなのですが、彼らには一人一人「Shoulder Number」といって、肩に番号がふられています。もし何かしらの事件があって、名前を聞き取りづらかったら、「Can I ask your shoulder number?」などと言ってとにかくこのナンバーを聞き出しましょう。そんなことが無いことに越したことはないんですけれど...


財布は改めて 大好きなアウトレットショップTKMAXXで小さな小銭入れを購入。そこに少額な現金とカードだけ入れて、バッグではなくいつもズボンの前ポケットに。旅途中イタリアで買ったvespaのkey ringをウォレットチェーン代わりにし、iPhoneも前ポケットに入れて、街歩きはだいたい手ぶらに見える格好で行くようにしました。

※スマホも転売目的で非常ーーーーによく狙われます。これは現地の人も盗られるレベル。私の友人も2人iPhone盗られました。

また、ブログ用に...と財布の中身を1つ1つ写真に撮ってあったのですがそれが案外役にたちました。アイルランドに2ヶ月後帰ってきた際、入国時にイミグレーションカードを提示しなければなりませんが、「実は盗られちゃって。」とカードの写真を見せたらOK。
「やられちゃったのね。再発行してもらうのよ」と言われたけど結局しませんでした!
旅途中にも学割のきく美術館や中長距離バスがあるので、それも写真で。
その辺りは日本だと「写真ではちょっと」ときちんとしすぎてて融通が効かなさそうですが、あちらでは問題なかったです。
ので、万が一のために財布の中身を写真に撮っておくといいですね。
パスポートもコピーをとっておくといい、てのと同じですが。

また、モノより思い出を痛感しました。
どちらかといえばポジティブな私は、事件から1週間ほど経った頃、「でもiPhoneは無事」と思うようになったのです。iPhoneにはいろんな写真が詰まっていて、もし失くしたら財布より落ち込むだろうなと思いました。

モノは再発行できるし、
お金はまた稼げばいい。
思い出って、なんとかけがえの無いものであろうか...と。
ケガもしていないですしね。



Attention!!!
◇お友達同士でない限り身体が密着しあうなんてごくごく稀。
アカの他人が異常に接近してきたときや、人混みには気をつけましょう。
道を歩いていて、後ろから「oh, Excuse me!!」なんてぶつかったフリしてポッケの財布を盗ろうとするやつ、居ますよ。


◇近づくべきでは無い人
・走っている人... 何かから逃げている可能性あり。
現に万引き未遂がダッシュしてるのを見たことが。。

・スウェットの人... これ日本の田舎のヤンキーと同じなのがむしろ面白いw
Non educated people率高し。なんか投げつけてくるYO

・大声で誰かを呼んでる人... なんで?って思うぐらい、
揃いも揃って太っててスウェットで酒ヤケしている。


◇歩きながらスマホいじらない!盗られまっせ。
特に、車道のそばに立ってると自転車でシャーーと盗られる例多いそうです。
(現地の人談)


◇超基本ですが、バッグのクチは閉じて、背中側に向けない。
日本帰国したらみんなカバンのクチ開いてて、財布目に見えてて、ああ平和だあ....と。
日本の「ひとのものは、とっちゃだめ」って躾、素晴らしいです。
ホームレスですら人のモノ盗らずに自分で空き缶集めるけど、
あちらのホームレスは「強奪」して「物乞い」します。

カバンのクチ背中に向けておけば普通に後ろから開けますし、中に手入れるので
その辺の「ふつう」が180度異なることは念頭に置きましょう。
カメラを首からさげてオシャレをして歩くのも
「わたしは金持ちです→スリさんいらっしゃい」と言ってるようなもの。


◇ダブリンに関しては治安が良くないことで有名なのは
Dublin1のsummerhill と言われている周辺。
(Google Mapで検索してくださいね)
子が出来てしまったホームレスなどを保護する住宅が並んでいるエリアなので
地元の人でも近づかないと聞きます。
一般的にはDublinは奇数が良くなく、偶数が良いと言われていますが
Dublin1でもオコンネルストリートに近いほうなら大丈夫ですし、
逆にDublin2にもスリは居るっちゃいます。



このスリ事件の話をダブリン友達にしたところ、
「実は私も」とあれこれエピソードが飛び出しました。
携帯を盗られた人、空港へ向かうバスを待っていたら親子がかりで荷物を強奪されそうになった人、ホームパーティーをしていたら家の中でお金を盗られてしまった人などなど。

基本的には平和なんです。ダブリン。平和なんですが、
スリは結局どこにでもいるんですよ。なので、
「スられた」と言っても「あなたの不注意が原因」と、誰も味方になってくれないのが現実。
私も実際この話は日本人と韓国人の友人ぐらいにしかしていないです。


皆様もどうぞ油断なさらぬよう、楽しい滞在を!

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